| SKG ANNEX vol.1 (門田光雅 企画展) 「青白く、柔らかな」 町野三佐紀 (http://morereal.sub.jp/) 展覧会期:2012年1月23日(月)〜28日(土) 時間:13時〜19時(初日17時から19時) 初日オープニングパーティ17時から19時 作家ステートメント 身体はひとつの海である。 水面の動きを凝視していると、その流れに同調し、共鳴していく。 身体の中から何かが流れ出し、流れ込んでくるようだ。 人の存在そのものが、流れを生んでいる。 存在を取り囲む”みえない膜”は、身体に寄りそいながら波打っている。 町野三佐紀 SATOSHI KOYAMA GALLERY http://tokyo.satoshikoyamagallery.com/ 戻る ![]() |
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| 町野三佐紀 「青白く、柔らかな」の開催に寄せて 小山さんのギャラリー空間を施工した経緯もあって、昨年末にビルの管理会社から空部屋の補修を依頼される。部屋にはPタイルが敷き詰められているのだが、かなり年季が入り汚れているので、それを全部剥がして綺麗に塗装し直すというもの。年末の多忙な時期だったのだが、調子の良い私は勢い任せに仕事を請けてしまったのだった。コツコツとスクイパーで根気よくタイルを剥がしていく。部屋中に立ち込める埃と剥き出しにしたコンクリートに入っている無数のクラックがビルの古さを物語っている。塗料でそれをすり潰す様に塗装して、何とか昨年内に作業を終える事が出来た。 塗料は駐車場などによく使う油性のものを使用する。「アメリカングレー」と言うちょっと一癖ある名前のツヤのある淡い灰色で、古ビルの築年数も覆い隠してしまうペンキの隠蔽力に感心しながら、リノベーションについて勝手な妄想と思索を繰り広げる良い機会となった。そんな中、折角だからこの空間で何か展示が出来ないだろうか、という提案に管理会社はテナント募集の内覧も兼ねてなら、と承諾してもらう。展覧会の動機としては少し不純なまま、あえてホワイトキューブとは異なる空間の演出としては何か適合できる可能性も感じつつ、展覧会開催の運びとなった。(実のところ、当初は町野さんとは別の人間に依頼中であった。しかしそれは非常に残念な出来事があり、実現する事が出来なかったのである。)忘れられない出来事の重なった年の瀬の忘年の席で久しぶりに町野さん会い、酒の場の無茶なお願いを引き受けてもらった。何度か現地で打ち合わせを重ねて年が明け、「青白く、柔らかな」というタイトルとなる。 今回はプロジェクターを複数設置して、室内の全体を使った映像のインスタレーションをするという。映像は打ち寄せる波や車窓を伝う水滴などを用意しているそうだ。本人は「みえない膜」と「流れ」を意識して作品を制作しているという。そういえば、僕の記憶が確かなら町野さんの作品には色彩がほとんど無い、そして終わりと始まりの見えない秘匿性の高いモチーフを使う。おそらく本人の言う「みえない膜」と「流れ」はこういった何かが欠損したような不完全なモチーフの中にこそ見えてくるものなのかもしれない。あるいは絶え間なく流動する水面の動きのように、それは身体と社会の境界で、打ち寄せては消えて行く波打ち際に佇むしかない私たちの存在そのものを暗示している。 いずれにしてもこの新しい年が明けて、改修された古いビルの一室にそれは投影される。 2012年1月 門田光雅 |